関岡英之さんからの返信メールの一部(抜粋)その2
Post by 喜八
作家・関岡英之さんからのメール第2回です(第1回)。
関岡さんの許可を得て、転載させていただきます。
「塩野七生さんの小説その他」について語られている部分です。
(★引用開始★)
喜八さんも、ひょっとして一時期、塩野七生さんの作品を夢中になって読まれたのではありませんか?
(喜八)なるほど、関岡さんも塩野七生さんの愛読者だったんですね。
はい、私もそうです。
『ローマ人の物語』はハンニバルとカエサルの巻を何度も読み直しました。
そして『わが友マキアヴェッリ』は座右の書です。
私(関岡)はもう少し古い作品で『海の都の物語』が一番好きですね。あと『神の代理人』。それと『コンスタンティノープル』『ロードス』『レパント』の三部作。塩野作品に惹かれてイタリアへ4回、イスタンブールへ2回、ロードス島にも行きました。すべてバブル期、銀行員時代の話で、もう10年以上も再訪してませんが。フリーになって収入が激減してしまい、海外旅行など行けそうもないです。マルタとドブロクニクをいつか訪れるのが積年の夢なのですが、まぁ~いまの困窮生活では見果てぬ夢でしょう。
恥ずかしながら『ローマ人』はまだ読んでません! 将来の楽しみにとってあります。ただ、私は古代ローマより中世、ルネサンス、バロック期のイタリアの方が興味あります。フォロ・ロマーノのような遺跡よりもベネチア、シエナ、マントバ、ウルビーノといった中世都市が、もう泣きたくなるほど好きです! 君よ知るや南の国、私は熱烈なイタリア狂なんです。なのになんで日米関係の本ばかり書いてるかというと、そういう仕事しか来ないからです。
イタリアが好きな理由のひとつは建築です。私は銀行員時代、新宿の朝日カルチャーセンターで芸大の野口昌夫先生のイタリアの都市・建築・庭園に関する講義を1993年から1998年まで約五年間聴講していたんです。これは毎回ひとつの都市や庭園をとりあげ、野口先生が撮影された膨大なスライドを二枚同時に映しながらその都市や庭園の構造を立体的、空間的に把握していくというもので、まるでその都市や庭園を散策しているような感覚になり、毎回わくわくするような名講義でした。ついでに朝日カルチャーセンターの知る人ぞ知る名講義をもうひとつ紹介すると、帝京大学の藤谷道夫先生の「ダンテの『神曲』を読み解く」は凄いです! 『神曲』がカバラのような数秘学に基づいて構築された壮大な伽藍のような「建築」作品であることを解明するという刺激的な内容です。
私はフリーになってからむしろ時間的・経済的余裕が無くなり朝日カルチャーに通えなくなってしまいましたが、どちらも現在も続いている人気講座です。
イタリアに魅せられたもうひとつの理由はオペラです。小泉純一郎さんもオペラ好きですがあちらはワグネリアン、私はイタリア・オペラ派ですから全然嗜好が合いません。イタリア・オペラ初体験はやはりバブル期の銀行員時代、1986年のコヴェントガーデンの来日公演でプッチーニの「トゥーランドット」を観たのがきっかけでした。脳髄を揺さぶられるような官能にくらくらと圧倒されてしまい、翌日もう一度観に行ってしまったほどです。以来20年間にイタリア・オペラを中心に(ロシア・オペラやウィーン・オペレッタもけっこう好きです)100回以上、「トゥーランドット」だけでも7回観ました。ジュゼッペ・ヴェルディの生家や晩年を過ごした館を巡礼したこともあります。銀行員時代最後の海外旅行は、やはりイタリアのマチェラータ音楽祭の「ランメルモールのルチア」とペーザロのロッシーニ音楽祭の「セヴィリアの理髪師」を観に行くツアーでした。しかしいまはイタリアどころか来日公演さえ、なかなか行けません。スカラ座の来日公演だけは欠かさず観に行っていたのですが、前回2003年のときはついにお金が無くて行けませんでした。今年秋、六年ぶりにスカラ座が来日して「アイーダ」と「ドン・カルロ」を上演します。どちらも大好きなヴェルディの作品なので今回こそはどちらか一つは観たいのですが・・・『目覚める日本』が増刷にならないかなぁ(涙)
(★引用終了★)
【関連エントリ】
・関岡英之さんからの手紙(1)
・『奪われる日本』関岡英之
・関岡英之さんのファンになりました(凛)
・関岡英之さんを応援します
・関岡英之さん
・『「改革」にダマされるな!』から
・「平沼・関岡・城内」対談
・『奪われる日本』から
・関岡英之さんの動画
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8 Responses, Comment or Ping
■ Comment
あぶらふ
喜八さん、アップありがとうございます!
お話がどんどん高尚な方向にグレードアップしていっていますね~!
それにしても、関岡さんがこんなにイタリアに魅せられた方とは知りませんでした!
私もイタリアは素朴に好きですが、ただ漠然と好きというのとは違って、関岡さんの見方はやっぱり緻密ですよね~。
縦の糸である歴史面からと、横の糸である3次元の建築で、なんかこう、網羅されてる感じ…。
「神曲」のお話はとても興味深いですね。そういう世界が見えてくるというのは、実にエキサイティングでしょうね~!
オペラも意外でした。
でも、考えてみると、壮大なオペラはよく建築にもなぞらえられますよね。
きっと、オペラを聴きながら、関岡さんのイメージの中では壮麗な建物が建てられているんでしょうね~…。
関岡さんが、その建築とオペラの美しい世界の中に住もうと思われたら、そうなさる能力はおありだと思いますし、そうなさっていても何の不思議もないんですが、今こうした生臭い世界で、言論で戦う道を選ばれたことは、本当にすごいことだと思います。
知的能力の高い方は世に沢山おられますが、どんなに貧乏しても、こうした方面で力を尽される関岡さんは、世にも稀な武士の魂をお持ちの方だな~といよいよ尊敬の念を新にしました。
喜八さんがこの前「実行力」とおっしゃってましたけど、ほんとにその通りですよね。
しかし、日本でオペラとなると、ほんとお金がかかりますよね。
私も時々テレビで放映されているものを観て楽しんだりしますが、舞台を観に行くなんて一瞬でも考えないようにしていますもん。(笑)
「目覚める日本」増刷運動、しなくてはですね!
2009 / 04 / 14
喜八
あぶらふさん、こんにちは。
関岡英之さんの「知られざる一面」をお伝えすることができたと思います。
関岡さんとのメールのやり取りで、前回と今回のことが語られたとき、私も驚いたんですよ。
「関岡英之さんって、こういう人だったのか?!」と。
篠田節子さん・塩野七生さん・イタリア・ダンテ『神曲』・オペラ・・・。
あぶらふさんや他の方も想像もつかなかったのではないでしょうか。
(もちろん、私もぜんぜん想像できませんでした)
ダンテの『神曲』は、この機会にぜひ読んでみようと思います。
> 喜八さんがこの前「実行力」とおっしゃってましたけど、ほんとにその通りですよね。
私は平均より「実行力」が低いと自覚しています。
しかし、最近では「これではいかんなあ。せめて好きな分野だけは実行力を高めよう」と思っています。
ただし、好きな分野は「政治」ではありません(笑)。
2009 / 04 / 14
凛
コメントを出したくても余りにも高尚過ぎて・・・。
関岡さんは趣味人でもあるのですね。
私はイタリアと言えばパスタ位しか思い浮かばないです(笑)。
あぶらふさんのコメントの中に
>世にも稀な武士の魂をお持ちの方だな~といよいよ尊敬の念を新にしました。
とありますが、関岡さんはとても優しくて品のある容姿をしていますが、その容姿からは想像できない武士の魂を持っていらしていい意味で裏切ってくれます。
>『目覚める日本』が増刷にならないかなぁ(涙)
関岡さんがこんなお茶目な文章を書くなんて、ちょっと意外です。
5月の連休に同窓会があるので、『目覚める日本』を何冊か買い込んで友人や恩師に読むことを薦めるつもりです。
関岡さんについては「万民周知!」で行きましょう。
2009 / 04 / 14
喜八
凛さん、こんにちは~。
> コメントを出したくても余りにも高尚過ぎて・・・。
私(喜八)も、オペラを劇場で観たことはないし、イタリアに行ったこともないし、ダンテ『神曲』を読んだこともありません。
なんとも無教養ですね(汗)。
> その容姿からは想像できない武士の魂
関岡さんって、なんだか藤沢周平の小説の主人公みたいなイメージがありませんでしょうか?
> 関岡さんについては「万民周知!」で行きましょう。
そうですね!
城内実後援会有志で相談して、いろいろと手を打ってみましょう。
我々はシロウトではありますが、なにごとも「やってみないと始まらない」ですからね!
2009 / 04 / 15
愛知県民
私も塩野七生が好きで結構読んでいます。今はローマ人の物語を再読中です。好きが高じてマキャベリのお墓まで行っちゃいましたw
2009 / 05 / 3
喜八
愛知県民さん、こんにちは。
コメント、ありがとうございます。m(__)m
> 好きが高じてマキャベリのお墓まで行っちゃいましたw
そうですか!
それは凄いですね。
関岡さんと相通ずる行動力です!
私もまた『ローマ人の物語』を読み直したくなってきました・・・。
2009 / 05 / 4
愛知県民
喜八さん>
ローマ人の物語で「寛容」という言葉がキーワードで出てきますが、最初に読んだ時は、なるほどなと思っていました。
ただ、今は、無邪気に「寛容=善、正」とは思っていません。
あくまで、
1000年で崩壊したローマ帝国での話であって
2000年以上の歴史のある日本にそれを当てはめるのは危険であり無理があるのではないかと。
と、思った次第であります。
2009 / 05 / 4
喜八
愛知県民さん、こんにちは。
> ただ、今は、無邪気に「寛容=善、正」とは思っていません。
世の中で一般に「善」「正」と見做されているものを疑う必要があるのでしょう。
ただ、コレを始めるとかなり苦しいことになりますが・・・。
自分に正直に生きようと思ったら、必要な作業なのでしょうね。
2009 / 05 / 5
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