「人生は下駄を履くまで分からない」池谷直士
Post by 喜八
「城内党」の同志・池谷直士さんが雑誌『大学への数学』2008年12月号(東京出版)巻頭言として執筆されたエッセイを全文転載させていただきます。
(あらかじめ池谷さんのご了承を得ています)
(★引用開始★)
受験雑誌「大学への数学」12月号(東京出版)の巻頭言として執筆した原稿内容をアップします。
「人生は下駄を履くまで分からない」
池谷 直士
私は脊髄性筋萎縮症という難病を抱えています。
学名を「ウエルド・ニッヒ・ホフマン」と言い、現代の医学をもってしても治療方法さえありません。
生まれつき体中の運動神経が機能していないため、全身の筋肉が委縮し、自分で呼吸することすら困難となり、重症の方は2~3歳くらいで亡くなるケースが多いとされています。
私も医師より「5歳までの命」と宣告されておりました。
現在、私は39歳となり、占いを用いたスピリチユアルカウンセラーを自宅で開業しています。
母と小児科医の妻、そして今年7月に誕生したばかりの息子と共に何不自由なく幸せに過ごしています。
しかし、人生とは本当に「下駄を履くまで分からない」ものです。
心の持ち方一つで、人間の人生はどんどん輝きを放ち素晴らしい方向へと展開していく事を身を持って経験しました。
自分の顔に蚊が一匹止まったって追い払うことさえ出来ない人間が、相談にやってくる人々の悲しみや苦しみ、悩みを追い払っているのですから。(笑)
自分の意思では全く手足を動かすことができせませんから、何をするにも人の助けを待っていなくてはなりません。
どんなに辛くても、痛くても、喉が渇いても・・・。
お蔭で人並以上の忍耐力が養われました。(笑)
見た目が悪いし、手がかかるし、言うことを聞いてくれないこの体だけれど、病気がフィルターの役割をしてくれたお蔭で、「いい人」だけを傍に残してくれていました。
悪い人達は傍に寄ってきません。
ちなみに訪問販売や変なビジネスの勧誘は、私を見ただけで帰って行ってくれます。コイツは使えねえやって。
あっ、でも宗教の勧誘だけは逆効果になりますが。(笑)
動けなくて近所の子供達と遊びに行ったりすることも殆どないから、いつも大人達の傍で時間を過ごすことが多い子供でした。
いろんな大人達の会話を聞き、心を知ることができました。
10代の後半には年上の方達の相談に乗れる自分になっていました。
それが今の仕事にいかんなく発揮されています。(笑)
すべてを人のお世話にならなければ生きていけない人間だから、人並以上に「生かされいる」という感謝の気持ちが持てる自分になれました。
何度も肺炎起こして死の淵を彷徨いました。
同じ病気で亡くなっていく友の死を幾度となく見送るたびに、明日は我が身と、死の恐怖と闘ってきました。
だからこそ、生きていること、それ自体がどんなに素晴らしいことかを噛みしめられる自分になれました。
女の人に恋しても恋してもふられ続けました。
ふられふられて13度目の正直、ボランティアサークルで出会った医大生の妻と結婚しました。
障害者とボランティア、よくありがちな話し。でも超重度障害者と医者、常識ではあり得ないような組み合わせ。
本当にふり続けてくれた女性陣のお蔭で、素敵なお嫁さんをもらうことが出来ました。(笑)
結婚なんて正直夢のまた夢だと思っていました。
大勢の仲間に心からの祝福をしていただき、妻と二人、二人三脚の人生が始まりました。
結婚だけでも奇跡なのに、更なる奇跡が私達夫婦に起こりました。
結婚四年目にして、子宝に恵まれ、2008年7月6日、3190gの元気な男の子が生まれました。
多くの人を繋ぎ、社会のために役立つ人となってほしいという思いから名前を「梁」(りょう)と名付けました。
私が赤ちゃんの頃しなかったという手足のバタバタや寝返りも父親の分まで激しくやっています。
もうハイハイまで、そしてつたい歩きも時間の問題でしょう。
私は素晴らしい家族や仲間に支えられ、幸せを心から謳歌しています!
生きてる価値を見出せず、生きることが怖くて不安で惨めで・・・。
早く死んでしまいたいと望んだ10代、20代の頃が、今では嘘のように思い出されます。
今、私は一日でも一時間でも長く、私の存在を喜んでくれる人達のために、そして、愛する家族、我が子のために生きたいと日々思っています。
「人生は生きてみなければ分かりません。」
どんな境遇であれ、人生であれ、「生ききる事」の中にこそ「私」の、「あなたの」真実があるのだと思います。
いろんな角度から人生を眺たら、たくさんの幸せに出会えるはずです。
(★引用終了★)
池谷さん、ありがとうございます!
私(喜八)も池谷さんに負けずに振られようと思います(笑)。
大きな幸せをつかむために!
今後とも宜しくお願いします~! m(__)m
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